道南に苔でできた道が続いている名所があるんだよ。
支笏湖の南岸、樽前山の裾野にあって、樽前山の噴火で流れ出した溶岩の割れ目が浸食されてできた渓谷。深さは最大で約10m、幅は広いところで約3m、長さは約400mとけっして大きくないけど、岩の表面に30種類以上の苔が密生していて、まるで緑色のビロードって感じ・・・。 入り口で車を降り、その先はずーっと歩き。大体片道30分歩くという感じかな。それほど危険ではない。奥に行くほどまわりが狭く険しい路になっていくし、両側が2メートル以上の壁でひんやりとした雰囲気。ロマンティックという人もいる。だが、奥の方に、「熊危険」と書かれた札が今でも置いてあって、観光客を喜ばせる(笑) 大丈夫、出ないって。日中はね(うそうそ)
さて、ここで取材していた時、そこの「熊危険」と書かれた札の前でワザとに逃げてみようとプロデューサーが言い出した。それは、道外の人に向けてのサービスのオチ!お約束というものだ。 札を見て眼を丸くする。そしてびっくり。ひたすら入り口に向かって走る・・・というシーンを何カットかにわけて撮影。「だけどただ走るのも面白くないなぁ、おまえ陸上部だったよな?本気で走れ!」とか言われちゃった。元、ローカル人気番組で視聴率22%を10年間維持させた鬼ディレクターは常にサービスを考えている。
その苔がつるつるすべって歩きにくいったらありゃしない。坂道やでこぼこ道、いたるところに苔が生えていて、私は一度ツルッと足を滑らせて転んでしまった。でも後ろから熊が来ていることを想定して走っているので、振り返らずにそのまま走った。
オンエアーで、その部分がクローズアップされていて、転んだところを何度も何度も繰り返し編集されていた。めったに人を誉めないカメラ担当の部長に「転ぶのはうまい」とか言われた。そして※キッチュ
曰く「苔の洞門でコケッ」だって!?むちゃくちゃムカツク〜〜〜っ!!
※キー局のレギュラーコメンテーター:美大出身で藤本義一の真似とかしてたタレント。今でも活躍してるよね?
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