絵本と右脳教育
 

絵本の感想など

2000年12月 5日(火)   しずくのぼうけん
マリア・テルリコフスカ さく/ボフダン・ブテンコ え
うちだ りさこ やく

これは、水である主人公「しずくちゃん」(うちではこう呼んでいる)が、冒険するうちに蒸発して気体になったり、凍って固体になったりと楽しみながら「水」の性質をわからせてくれる、とっても優秀な本である。それに、この文章・・・うちださんが訳する時に「ロシア」語の韻をふむような表現のしかたを配慮して、こういう文体になっているのでは・・・!?と思うが定かではない。「ロシア」語は、「おおきなかぶ」もそうだけど、語尾を微妙に統一したり、同じようなリズムの中で語られる詩が多い。だから、聞いているだけで内容が理解できなくても、美しさに思わず涙してしまうのである。「5,7,5」ではないけれど、歯切れのいいリズムでなんとも「水」らしい。

北海道は、マイナス5度。まだまだこれから寒さが厳しくなる。窓を開けて空気の入れ替えをしようと思ったら、開かない!!「ついに、開かなくなったよ〜〜」なんて話を息子達にしていると、2号はこの本を持ってきた。たぶん・・・???偶然だろう。いや、もしかして・・・。
それを見た1号は、「あ〜〜あ〜〜」と、納得していた。この本を「もう一度」と、リクエストされたことはないのに、その日は3度読まされた。私は、個人的に魚と一緒に泳いでいるのが不思議なのだが、こうことは関係ないらしい。



2000年11月 7日(火)   ゆきのひのホネホネさん
にしむら あつこ さく・え(福音館・こどものとも年中向き12月号)

保育園から、今月の「こどものとも」が届いた。毎月「年中向き」と「こどものとも」を2冊づつ購入している。月わずか350円くらいで、1ヶ月に1冊づつ新しい(書き下ろし)の作品が手元に届く。色々なコースがあり、年齢別やテーマに分かれている。その中でも人気があったり、目にとまったものを、ハードカバーにして、再版する。将来ハードカーバーになるかもしれない優秀作品が生まれる瞬間に立ちあうのは、とても刺激的。だから、他のコースでも特にいいなと思ったものは、バックナンバーなどを取り寄せたりしている。ソフトカバーだけど、あなどれないのだ。

さて、このホネホネさんは、98年の7月に「ゆうびんやさんのホネホネさん」として登場して以来、2度目?かな。この時は黄色に黒の線の表紙で目がチカチカして、開くと中表紙は黄色とブルーの縞模様。中は白黒。しかも細かい線でぐるぐる書き付けてあったので、見にくくて目がおかしくなりそうだった。しかも主人公は「がいこつ」だし、こんなのきっと読まないよなーと、思っていたのである。
ところが、1号はエラクこの本が気に入り、一日数回繰り返し、今でも時々出してくる。この時のホネホネさんは、愛車(自転車)をこいで郵便物を配達する・・・というお話で、いく先々で、手紙の内容も紹介され、最後にホネホネさんにも手紙がくるというちょっぴり心温まる内容だ。「ゆきのひのホネホネさん」は、冬になり、自転車をスキーに履き替えて郵便物を配達する・・・のだが、行く先は前回と同じ。

保育園から帰ってきて、袋から本を出すと思わず「あっ、ホネホネさんだー。」と私が叫んでしまったので、1号も2号もあわててそばに寄ってきて、「読んでくれ〜〜〜」と大騒ぎ。早速と思ったら、1号が前回のホネホネさんも出してきて、「これも〜〜!!」と哀願した。今度は赤い表紙のホネホネさんから読むことにした。表紙をめくると、「ああ〜、いい顔してるねー。」と、1号が言った。まるで、久しぶりの友人に逢ったみたいに懐かしそうに本を見つめている。ホネホネさんが、一生懸命手紙を配達しているのを、一緒に楽しみ、最後はやっぱりホネホネさんにもいいことがある。1号は、ほっとした表情で、大事に大事に本棚に戻していた。2号の方はというと、あまり反応はない。むしろもう一冊の「きょうりゅうがすわっていた」の方を何度もリクエストしてきて、これは意外。あいつは恐竜系が好きなのかも。そういえば、車にもあまり反応がないものなぁ。



2000年11月 6日(月)   がたごとがたごと
内田 燐太郎 ぶん 西村 繁男 え

この本との出会いは、本屋さんでおすすめしてあったので、とりあえず見てみようとページをめくったのがはじまりだった。「やんすけとやんすけとやんすけ」の内田さんの文章に「そんなことってある」の西村さんの絵。これは、何かあるかも・・・そう思ったとたん。なんじゃこれ!!「はっはっはっは・・・」本屋で大爆笑してしまった。若い店員が私をみて眉をしかめている。「おっと、いけない」つい、絵本の世界にのめり込んでしまうのだ。この本、おもしろすぎる。こどものため・・・というより、私のコレクションに加えたい。そう思って早速購入。数日は自分だけで楽しんでいた。でも、とうとう秘密にしておけず、1号に見せてみた。

1号には、いたってシンプルにただ読んだ。自分の中では大爆笑だったが、それをこらえて普通に読み進めた。「あ〜〜っ」「ぎゃははははは」やっぱり、笑った。そうでしょう。おもしろいでしょう。変な絵本だなぁ。それを見ていた2号も頭にハテナをしょってやってきた。「?」何がおもしろいのかわからないが、とりあえず笑っとけ・・・という感じで爆笑していた。それから、1号は乗った人と降りた人を見比べるのに必死になり、2号は気に入った数人を指差す。特に意味はないみたい。

この本は、汽車に人が乗り、様々な風景を通り過ぎ、駅について人が降りる。という単純なもの。セリフも「がたごとがたごと」しかでてこない。しかし、ん?この人がこの人?ここまでは、確かに変ってないよねー。え〜〜??親子で真剣になること間違いない。



2000年11月 1日(水)   ねないこだれだ
せなけいこ さく・え

せなけいこさんの本の中でも「おばけ」ものは、皆の大人気。これは、ちょっと小さ目のサイズで話しもシンプル。絵は「ちぎり絵」を使っているので、シンプルな構造でもどこか温かい。「寝ないとおばけになっちゃうよ〜〜」という単純な内容なのだが、裏を返せば、「じゃ、寝ればおばけにならないんだ。」という安心感に結びつく。だからといって、この本を「寝かせるための」絵本として与えるわけではないのだが・・・。

1号には、0歳の時からずーっと読み聞かせていて、一番ウケタ本。(あ、いや、実際には最近「がたごと がたごと」が上をいく)「とけいがなります・・・」の次で「こんな時間に・・・だれだ」と言われると、もうおかしくってたまらない。それは、まるで隠していた何かを言い当てられたかのように、ちょっとびくっとするらしい。ところが、それは次のページで自分ではないことに気づく。あれかな?あれかな?あれれ?とうとう自分はでてこない。だけど「夜中に遊ぶ子は・・・」と、いわれてはっとする。心当たりがあるのか!?そして、自分ではないのかな・・・?と疑わしい別の子がおばけの世界に連れられていく。最後まで「ウヒョウヒョ」状態の1号。最近は、2号に読み聞かせてくれている。

2号は時計が鳴ると同時に笑い出す。最近、こんな時計にはお目にかかれない。夜中に遊んでいるらしい容疑者が続々とでてくるところで、ますます激しく笑い、おばけの登場と共に頂点に達する。そして、おばけに連れられていくのを見るとなんだかあきらめたような表情になる。(一体どういう意味なのか?)



2000年10月31日(火)   黄色いのはちょうちょ
五味太郎のしかけ絵本

男の子がちょうちょを網を手に追いかけていく。網を下ろしたら、ぜんぜん別のものだった。実はちょうちょの黄色い部分がくりぬかれてあって、ページをめくると、黄色い別のものに変身するというしかけ絵本なのだ。男の子は最初は黄色いのは絶対ちょうちょだと意気込んでいるが、そのうち自分に自身がなくなっていく。そのことばの微妙な変化と、『あな』をうまく使った遊びが楽しめる絵本。

2号は、男の子があきらめて家に帰ってしまうところで、必ず声をあげる。今まで外で追いかけてきて、家の中でもオムライスを勘違いして・・・「だれがなんていおうと・・・」で完全にあきらめたのか、男のこの姿は家の窓から見えるだけ。2号はその家の屋根を指差す。そう、今まではそういうアングルで描かれていなかったもんねー。なかなかするどい。これは、男の子の気持ちの違いを表現したかったんじゃないかなぁ。



2000年10月31日(火)   うさこちゃんとうみ
ディック・ブルーナ ぶん・え 石井桃子 訳

この本のすごさを理解していなかった。もちろんブルーナと言う人の特集を衛星放送で見てから、本も読み方が変った。彼は大手の印刷会社の社長の御曹司であるにもかかわらず、そのレールからはずれる。大好きで小さい頃から描いていた絵、母親だけは「才能」をわかってくれて、応援してくれる。
ミッフィとの出会いは「うさこちゃんどうぶつえんへいく」だった。そして、2冊目が「うさこちゃんとうみ」である。そのシンプルな絵。普通の文。でも恐ろしいほど「妙」なのだ。だから、何度読んでも飽きがこない。素晴らしい絵本である。なにしろうさこちゃんのお父さんは「ふわふわさん」である。でも、文体から受けるうさこちゃんの受け答えが冷たい・・・?ことと、お父さんとうさこちゃんとの間の距離感、そして、うさこちゃんのお母さんは何をしてるんだろう?ということを総合して、「うさこちゃんのお母さん妊娠説」が浮上してきた。「うさぎ産婦人科」に入院しているか、具合が悪くて実家に帰っているか・・・そういう不自由な暮らしのなかで、お父さんがよし「海」にでも行くか・・・となる。そんな話としてみると、とってもしっくりくる。読み手の想像をかきたてるすごい絵本なのだ。

1号は「うさこちゃんいっつも帰りは寝るんだね」と冷めた口調で言う。彼は遠足や旅行に行っても決して疲れるって事がないから、こんな風によだれを垂らして(??)寝て帰るっていう経験がない。もっともうさこちゃんの場合は「気疲れ・・・」かもしれないが・・・。



2000年10月31日(火)   マックスみたい・・・
ある日。1号が遊んでいると2号がきて邪魔をするものだから、とうとう頭にきて2号をけっとばした。「●×▲〜〜!」と感情的に叱る。1号はしょうがないから鍵のかかるお父さんの部屋におもちゃを全部持って行って、閉じこもった。食事の支度ができたので、そろそろ呼びにいこうかなぁと思ったら、1号が部屋からでてきて「おなかすいた〜」と言った。「だって、おいしそうな匂いがするんだもん」そして、ごはんを食べた後、「マックスみたいだね」と言った。「お皿が違うけどね」だって。

なるほど、似てるシチュエーションだ。マックスは『怒られて』部屋に『閉じ込められて』『遊びの世界に入っていく』そして、おなかがすいたのかどうかは知らないけど、ごはんの匂いにつれられて、遊びの世界から戻ってくる。

「かいじゅうたちのいるところ」では、訳す前の本文はとっても激しい口調で言い合いをして、マックスは『仕置き』をされる。食事も部屋で一人で食べろ・・・というのだろうか。しかも、一体いつマックスの部屋に運んだんだ??不思議に思っていた。これを、「絵本をよんでみる」で五味太郎さんは鋭い指摘をしている。ん〜〜〜なるほどね。そういう見方もあるものかと納得。センダックって人は本当に面白い。



2000年10月27日(金)   へーすごいんだね
北山葉子 作・絵
おにの子あかたろうの本シリーズの中の一冊。あかたろうには、お友達がいてみんなぞれぞれ違う色。色が違うのは生まれに秘密があるんです。みんな知っているのにあかたろうだけ知りません・・・。というお話なのだが、みんな違うけど仲良くできるってこと。とっても素敵な話だと思う。それにこの本には「もりのなか/マリー・ホール・エッツ」に出てくる、「あの妙に子どもの遊びに理解があるお父さん」・・・と、同じような感じの「おかあさん」が登場する。だいどころで夕飯の支度をしている時に、急にあんなこと聞かれて「はいはい・・」なんていうその場限りの返事ではなく、子どもがどんなことを思ってそれを聞いてきたのかを理解できる親・・・こんなのは、ちょっと無理かもしれないけど、そうありたい、という願望を映し出しているようだ。何かというと、すぐに子どもを自分のものさしではかりがちだけど、この本を読むたびに反省。それを知ってか知らずか、1号は「お母さんの好きな本だよねー。○○も好きー。」といって持ってきます。2号はこのからくりにまだ気がついていない様子。



2000年10月26日(木)   はははのはなし
加古 里子ぶん・え

これは、福音館の「かがくのとも」の傑作集として出版されている。工学博士、技術士にして、川崎セツルメント児童部、日本子どもを守る会会員の加古氏は、専門的な知識を簡単に説明した絵本が多い。こどもにも理解できるよう面白く構成されている。決してかわいい絵ではないし、地味な色合いの絵本が多いのが特徴。だから、こういう絵本は、人にいいよって言ってもなかなか信じてもらえない。だけど、こどもにはその良さがすぐにわかる。この本は、どのようにして、虫歯が出来上がり、虫歯があることによって、自分がどうなるのかを気づかせてくれる絵本である。大人にしてみれば「当たり前」のことでも、実際に虫歯のできる過程をおってみると、「ええ〜〜」と驚かされる。うちでは、この本を読むと、必ずハミガキする。ハミガキをしなくてはいけないような気になるのだ。2号は、まだ意味がわかっていないらしくて、一番最初のページに加古氏自身が描かれていて、笑っているのだが、その笑顔をみては一緒に笑っている。そのページが一番のお気に入りらしい。そういえば、2号は保育園の先生にそしゃくを注意されたばかり。ほとんど食べ物を飲み込んでいるので歯の必要性なんて感じてないのかもしれない。



2000年10月26日(木)   エルマーのぼうけん
R.S.ガネット作 ・わたなべしげお訳

1ページに400文字くらいで、116ページまである白黒の童話。おなじみエルマーの冒険シリーズの第一作です。簡単な漢字にはふりがながふってあって、5才から・・・・と書いてある。
1号は、このような本を保育園で4才の時から読み聞かせてもらっているので、家でも同じように絵の少ない本を読んでいた。その中でもこの本は表紙の裏側に「地図」が載っている。もうそれだけで想像の世界が広がるよう。3ページにひとつくらいは、白黒の挿し絵があるので、それを時々見せながら読みすすめていく。10のお話に分かれていて、2号がいると、なかなかひとつを一日で読めないので、「続き」と言っては、細かく区切ってしまう。しおりを挟んでおいたはずなのに、わからなくなってしまった時、1号が昨日は「ねこと公園に散歩に行って、ぼくは大きくなったら・・・・とこまで」と、本をすっかり暗唱してみせた。そんなに何回も読んだっけ?と不思議に思ったが、保育園でも読んでもらっているからかと思い、先生に聞いてみると・・・。このお話はみんなが気に入っていて、よく「エルマーごっこ」をするんだそう。積み木を山にみたてたり、折り紙や布をいっぱい集めて舞台をつくっているのだ。そして、12月の生活発表会では、この「エルマー」をやるそうなのだが、それはまだ親達には秘密らしい。読み聞かせている時には何度も地図を確認したり、ちょっと、上の方を向いて想像しているような仕草をする。そこへ2号が割り込んできて「かいじゅうたちの・・・」を読めと持ってくるが、「順番ねー」と言うと、2号も落ち着き、エルマーを聞いている・・・というより、エルマーを楽しんでいる1号を見て楽しめるようになった。
2000年10月22日(日)   きんぎょがにげた
五味太郎 作

うちの絵本の中でこれほどぼろぼろになっている本はない。一番めくる回数が多かったと思う。2号は産まれてすぐからずーっとこの本が大好きで、保育園で読んでもらっていても興奮してひっくりかえりそうになっている。ところどころはテープでとめてあり、食べ物のかすがついていたり、ページ同士がくっついてしまったりで、とってもキタナイのだがここまでくると愛着がある。お決まりの「きんぎょがにげた」というセリフを言ってから、金魚のいるところを指差し「あ、ここだね」と2号の顔を見る。保育園では、2号より3ヶ月お兄ちゃんの○○ちゃんが、今の2号くらいの時から「いた!」と言って、金魚を指差していた。2号は何も言わず「う〜ん」とうなっては、金魚に似ているカーテンの柄とか、お花とか、他のものに目がいくらしい。それでも私が「ここだね」というもんだから、「ふふ・・」と笑みを浮かべて次をめくろうとしている。未だ「あった」とはいわないが、何を考えているのだろう。
『追加』
2号は、必ずピンクのお花を指差した後、表紙に戻る。そしてまたお花のあるところへ・・・それが、何度も何度も同じことを繰り返すので、何か意味があるのかなぁ〜と考えたら、実は指差してたお花と同じ物が表紙にあったのだ。私は気がつかなかっただけ、こどもって本当に目のつけどころが違って面白い。



2000年10月22日(日)   ごろごろにゃーん
長 新太 作・画

久々に2号の「もう一回」コールが激しくあった絵本。もちろん1号も大好きで、なぜか二人とも笑うところが同じ。この絵本には、3つのセリフしかでてこない。最初のセリフと、「ごろごろにゃーんと・・・」と、最後のセリフ。最初に一応ひとこと説明がある。「ひこうきはごろごろ、ねこはにゃーんにゃーんとないています」と。そして、あとはその飛行機が色々なところを飛んでいくのだが、「なんでこんなところ?」というところを飛んでいたり、乗っているねこの表情が微妙に違ったりで、とってもおかしい。「うっそう」と思うが、これが長ワールド。その中でも、この本は特にセリフが少ないし読みやすい。(ただ何回もリクエストされるとイヤになることもあるけど)絵は彼にしては珍しくあまり激しくない。そこが2号のお気に入りなのかもしれない。色合いがなんとな〜く「かいじゅうたちのいるところ」に似ている・・・とは言えないか。1号には4年ほど前から読んでいるが、今日はじめて「禁断」の質問をした。
「どうして、ごろごろにゃーん・・・ばっかりなの?」
お、きたな・・・と思い、「それは(ひこうきはごろごろ、ねこは・・・)だからさ」と本のとおり答えてやった。たまたま居合わせたダンナが大爆笑していたが、1号は「ふ〜ん」と納得していた。これで、いいのか?



2000年10月18日(水)   おばけのバーバパパ
アーネット・チゾンとタラス・テイラー作/やましたはるお訳

バーバパパはお庭で生まれたんです。知っていましたか?土の中から、お花のようにです。バーバパパのシリーズは色々あるのですが、このタイトルの本が一番始めに出た本です。絵も、線描きでおしゃれです。うちには、ビデオもたくさんありますが、この本が基本になっています。
2号に読み聞かせたところ、最初のページで「おおぉ」という声を出して驚いていました。(何を考えてんだか)動物園の檻に入れられるシーンでは、曇った表情でためいきをついていましたが、檻から出てらくだに変身した時には手をたたいて大喜び。最後のページには、ハンカチを持ってさよならをしているバーバパパがいるのですが、それに向かってバイバイしておしまい。3回ほどリクエストがあって、繰り返し読んでいるそばに1号もいるのですが、そっと耳元で「あとで、僕にも読んでね」といいました。やっぱり、ただ、本を読むのではなく、自分に読んでもらっているという感覚がうれしいのでしょう。



2000年10月16日(月)   よるのおるすばん
ワッデル文/ベンソン絵/山口文生 訳

ある夜、三羽のふくろうのおかあさんが、えさを捜しに出た。あれこれ心配しながら帰りを待つ様子がなんとも可愛らしい。三番目のピヨちゃんは心細くて「ママにあいたいよう!」という。ここに差し掛かると、1号は私の口を手でふさぎ、自分でこのセリフを言う。
おかあさんが帰ってきた時の三匹の表情、本当にうれしそうで1号、2号ともに飛び跳ねて喜んでいる。



2000年10月15日(日)   かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック作/じんぐうてるお訳

異色絵本作家としておなじみのセンダック。とんがっているところが私は好き。アメリカの「hand in hand」で、この物語のなりきりセットを販売している時に全部揃えようかと迷ったほど好き。マックスは、悪さをして部屋に閉じ込められるが、いつのまにか部屋の中が森になり、海になり〜かいじゅうたちが住む島で、王様になる・・・・というお話。最後のおちは、母親冥利につきる。このセンダック、父兄から苦情がきて、一時期出版を見合わせるということもあった(真夜中のだいどころ)。大人って、つまらないところにケチをつける。この本も、出てくる怪獣があまりにも怖い??とかの理由で評判の悪い時もあったらしい。確かにちょっぴり怖いかもしれない。でも、よ〜く見ると愛敬のある顔つきをしている。

長男が2歳くらいから読んで聞かせているが、「おかあさんが好きな本」として扱われていたので、自分が読んでもらいたい本ではないらしい。でも寝る前の数冊の中にこの本が必ず入っていた。きっと、気をつかってくれているのだろう、いいやつだ・・・(親ばか)。そんな状況でもその頃から、5歳になった今でも気になるかいじゅうが一人(?)だけいる。どのかいじゅうも足に鋭い爪を持っているのに、一人だけ(鳥型もいるけど)人間の足をしているかいじゅうがいる。聞くと「きらい」だと答えるが、どうも気になるらしい。そんな感じなので、この本はあんまり人気がないんだなーと寂しく思っていた。ところが、1歳1ヶ月の次男は、別に私がすすめたわけでもないのに、この本を持って「ん〜!(読め)」とせがむ。待ってましたとばかりに読んであげると、「かいじゅうおどりをはじめよう」と言ったとたんに大笑い。もう大爆笑なのだ。おうちに戻ってきて、最後のページをめくると「はぁ〜」とためいきをつく。そして必ず「ん〜〜(もう一回と指を振る)」。自分も好きなので「特別ねー」といっては、また今日も20回以上読むことになる。



2000年10月15日(日)   ペレのあたらしいふく
エルサ・ベスコフ作・絵/おのでらゆりこ訳

独身の時からこの本が好きだった。なんて、単純であたりまえなことを言っている絵本なんだろう。でも、現代社会では見えない部分で、自分の小さい時には、物事がこんな風に運ばれていくなんて思いもしなかった。教えてもらっても実際の生活とあまりにもかけ離れていてピンとこないのである。だって、せっぱつまらないとわからないことってあるもの。そんなことを大人になってからわかって、今度はこどもにどう伝えたらいいんだろう・・・と、悩んだらこれを見せるといいかな。こんなあたりまえのことが、今では贅沢に思えるほど。シュタイナーを実践している人は、よくこの本をすすめるが、ベスコフは意識したこともないだろうと、先日ある人の講演会で聞いた。ベスコフの作品は、スウェーデンの教科書に何度も載っている。いずれも素晴らしい作品だが、きっとこんな生活をしていて、それをそのまま書いただけなんだろう〜と言う人もいる。なんて、素晴らしい。言葉だけではなく、その人の人生観そのものに魅きつけられる。

5歳の長男は、この本を読むたび「僕と同じくらいかな?」とたずねる。どうなんだろう。船はこげないよな・・・と思いながら読み進める。気になるらしい。
1歳1ヶ月の次男は、糸があおく染まるところで喜ぶ。仕立てやさんにしぶい顔をしながら、最後の羊がなくところで拍手。残念ながら二人ともあまりリクエストはしない。
絵本の目次

 
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